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~ 17エンドビーチ誕生の秘密。出現したのは2008年前後 ~



下地島空港17エンドのビーチ



2008年前後、下地島空港の17エンド西側に砂が集まりだした。以前は護岸がカーブしているあたりに少しの砂浜が出現することもあったが、広さは3m四方ほどで砂浜と呼べるほどではなかった。
下地島空港の北側は海を埋め立て作られているが、空港建設の埋め立て工事が行われたのは1972年。それが30年以上が過ぎてから突如として広い砂浜が現れたのはなぜか?

砂浜の増加や減少は潮流が変わることによって発生する。その原因の多くは海へと流れ込む川の変化だったり、護岸工事や建造物によるもの。
宮古諸島には河川がない。そうなると潮流が変わって砂が運ばれて来た原因は新しく作られた建造物である可能性が高い。沖縄でいちばん美しい、いや世界でいちばん美しいかもしれない下地島空港17エンドビーチ。その絶景が誕生した秘密を探る。






いちばん下にあった消波ブロック(テトラポッド)は
運ばれてきた砂によって、すべて埋まってしまった。
(クリックすると大きな画像)





まず疑われるのが17エンドの誘導灯の横に一直線に伸びる桟橋のような通路。この通路は開港時には存在しておらず、後から建設された。かつては海上からボートを使って各誘導灯に登りメンテナンスをしていた。さすがにこれは不便であることから、海に杭を打ち、桟橋のような長いメンテナンス用の通路を建設。この"桟橋"が完成したのは1992年頃。17エンド西側に広大なビーチが出現したのは2008年前後。時期が異なる。









最も怪しいのは伊良部大橋だろう。橋の建設は2006年から。伊良部大橋のすぐ西側には長山の浜と呼ばれるビーチがあった。しかし橋の建設開始から数年後、砂がすべて橋のほうへ流れてしまい、ビーチは無くなり、岩場になってしまった。伊良部大橋が潮流に変化を及ぼしていることは間違いない。そうなると伊良部大橋の西から東へと向かう潮流が、島の反対側の17エンド付近にも影響を与えている可能性はないだろうか?





長山の浜。伊良部大橋の工事開始後、砂浜が無くなってしまった。





17エンドは環礁の中にあるために、外海の影響は受けにくいはずである。原因が他に何かあるのではないだろうか?リーフの中に潮流を変えた建造物はないか?砂が運ばれてくるのには数年はかかるとみられるので、10年遡るとして1997年以降に環礁の内側に新たに建設されたものはないだろうか?調べてみると、該当する建造物があった。
それは、17エンドの東側にある佐和田漁港。建設工事は1990年代後半から、埋め立て工事と港の護岸が完成したのは2002年頃。環礁の中を掘り下げて船の航行のための水路も作っている。工事開始から数年後に佐和田漁港近辺の砂が減少したことが確認されているが、17エンドビーチの砂は漁港近くの砂が運ばれて来たのだろうか?伊良部島の住民がこんなことを言っていた。「17エンド誘導灯あたりの海は、むかしはもっと綺麗だった」
昔は綺麗だった、という言葉はどの観光地でもよく聞く言葉。それは昔の記憶によるもので、実際はあまり変わっていないというケースもあるかもしれない。その時は聞き流していたが、記憶を辿ると昔の17エンドと現在の17エンドの海の色の違いに気づいた。

航空ファンの聖地とも呼ばれた下地島空港17エンド。タッチアンドゴー訓練の撮影のために多くの航空ファンが集まっていたのは2004年頃から。昔のタッチアンドゴーの写真がネット上で多く見られるが、多少の色の差はあるものの、当時は誘導灯付近の海一面が明るいブルーで覆われている。現在もこれと同じ色が見られるのは誘導灯の先端のみである。




明るい水色になっている場所は海底が白砂。
海底が岩場になっている所は、グリーンにも近い濃いブルー。

2006年の海の色1 (リンク先: final approach - 下地島レポ)
2006年の海の色2




環礁に囲まれている17エンド。丸印が佐和田漁港
(2015年の航空写真)




丸印にあった砂が矢印の西側に移動、岩場が露出した。
白砂は西側に運ばれて17エンドビーチが誕生した。



1994年の航空写真では誘導灯近辺の海底はすべて砂地。そのため、海は明るいブルーに輝いていた。しかし現在の航空写真を見てみると、白砂が減って岩場が露出しているのがわかる。つまり、佐和田漁港の建設によりリーフの中の潮流が変化、漁港周辺の砂や17エンド誘導灯付近の砂が数年がかりで西側のテトラポッドの下に流れていった。17エンドビーチが出現した理由、それは佐和田漁港が原因である可能性が高い。今後もビーチの白砂は増え続けることが予想される。人間が手を加えたことによる自然破壊か、それとも自然の不思議な恩恵か。奇しくも漁港建設によって新たな絶景が生まれた17エンド。残念ながら周回道路は車両通行止になってしまったが、この美しい風景をいつまでも見ることができるよう、願うばかりである。






下地島空港17エンドビーチ

(取材・イタリアファイブネットワーク 沖縄臨時支局 / 2019・3・27)




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